リスケジューリングによる自主再建（私的整理）

リスケジューリング（リスケ）とは、金融機関との交渉によって、融資を受ける際に約束した支払条件を、緩和することです。具体的には、支払い期限を延期したり、月々の支払額を減額したりすることです。

経営者の中には、金融機関への返済を絶対視するあまり、仕入先への支払いを止めてでも金融機関への返済を優先したり、高金利の貸金業者から借金をしてでも銀行に返済する、などという方もいらっしゃいます。
もちろん、金融機関への返済は大切ですが、これでは状況をますます悪化させてしまいます。

そこで、金融機関との間でリスケができれば、資金繰りに余裕を持つことができるようになります。
取引先を対象とすることなく、金融機関のみを対象として、交渉をすることが可能なことは、取引の継続拒絶や取引条件変更、風評被害等を回避しやすいと言えますので、事業価値の棄損が生じにくいことになります。

また、民事再生など法的整理の場合には、金融機関とは緊張関係が生じているケースも少なくありませんし、民事再生会社が金融機関から融資を受けることは簡単ではありません。これに対して自主再建の場合には、金融機関との関係は近いままであることが多いと言えます。
金融機関としても一度支援した会社を破綻させるわけにもいかないとの心理が働くこともありますので、資金繰りが厳しい場合には、追加の融資などの金融支援を受けられる可能性も出てきます。

もちろん、リスケは緊急的な猶予期間を確保しているに過ぎませんので、猶予期間の間に過剰な負債を整理したり、売上の不振を解決しなければなりませんが、上述のように関係者からの協力や取引関係を維持しつつ会社の再建を目指すことが可能となりますし、どのようなスキームで再建を目指すかについて法律上の決まりはありません。
そのため、関係者らの理解を得つつ、柔軟な再建計画を立案、実行することが可能です（金融円滑化法は平成25年3月に終了し、以前ほど簡単にはリスケに応じてはもらえなくなっていますが、円滑化法の実施前も終了後も、客観的な事実に基づいて、きちんとした再生計画を提示すれば、リスケに応じてもらえるケースも多々あるのです）。

もちろん、「お願いすれば、必ず待ってくれる」というわけではありませんし、実態を隠して、嘘で塗り固めた計画を見せても、一発で見破られて、逆に不信感を持たれてしまいます。
このような場合は、専門家である弁護士にご相談いただければ、客観的に状況を把握した上で、皆様と一緒に納得性のある再生計画を作り上げ、金融機関とリスケの交渉を行います。

顧問税理士の先生との連携も可能ですので、税理士の先生と一緒にご相談に来ていただくことも問題ございません。まずは当事務所へご相談ください。