2018年07月02日
前回のコラムでは、「弁護士を目指したきっかけ」についてお話しました。
では、具体的にどうしたら弁護士になれるのでしょうか。
そのためには、まず、「司法試験」に合格しなければなりません。
司法試験とは、裁判官、検察官、弁護士になるための「採用試験」と位置付けられています。
そして、2018年の時点における受験資格として、
①法科大学院を卒業する 、 ②「予備試験」に合格するがあります。
いずれの場合でも、司法試験の受験回数は、2006年から2014年までの間、
「5年以内に3回まで」(3回落ちると「三振」と呼ばれていました)、という制限が課されていましたが、
改正されて、「5年以内なら何度でも(試験は1年に1度なので、最高5回)」となりました。
ところで、
①法科大学院は、文字どおり「大学院」なので、通常の4年制大学を卒業 もしくはそれと同等の
資格がなければ入学できませんし、大学院なので学費がかかります。
卒業するまでには、法律の知識が一定程度あるとされる人でも2年間、法律の知識がないとされる人
(といっても、最近はほとんどの学生が法学部出身という大学院もあるようです)で3年間が必要となります。
その後、法科大学院を卒業して、司法試験に合格する確率は、ここ数年、平均20~25%くらい、
人数でいうと1500人程度です(中には、合格率50%超という法科大学院もあります)。
②「予備試験」は、時間もお金ももったいない、という人のための近道ですが、
合格率はここ数年3~4%の狭き門です。これに合格して、さらに「司法試験」に合格しなければ弁護士にはなれません。
したがって、基本的には、
4年制大学→法科大学院(2~3年)→司法試験
というのが通常ルートといえるでしょう。
司法試験は、毎年5月に、5日間にわたって行われ、
①公法系2問(憲法、行政法)
②民事系3問(民法、商法(会社法・手形小切手法を含む)、民事訴訟法)
③刑事系2問(刑法、刑事訴訟法)
④選択科目2問(倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系)の中から選択)
の合計8科目の論文試験と、
①民事系 75点満点
②公法系 50点満点
③刑事系 50点満点
の択一式試験があります。
試験時間は、論文式試験が、1科目あたり2時間(選択科目のみ3時間)。
択一式試験は、民事系が2時間30分、公法系・刑事系は1時間30分です。
トータルすると、5日間で合計22時間の長丁場です!!
体力勝負です!!
ちなみに、択一試験も論文式試験も毎年5月に行われ、択一式試験のみの合格発表が
6月上旬(平成30年度は6月7日)にあり、ここで不合格となった人の論文は採点されません。
最終合格発表は9月上旬(平成30年度は9月11日)です。
合格した自信がある人は、6月から「就職活動」(所属する事務所にコンタクトを取る)を開始しているようです。
以上、
弁護士になるための具体的なイメージが湧いた!という方がいらっしゃれば幸いです。