2021年10月22日
会社組織いろいろ ~ 会社の種類(総論) ~
皆様こんにちは
弁護士法人アルファ総合法律事務所の代表弁護士・税理士の保坂光彦です。
さて、皆様は単に「会社」といわれたときに、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?
現在、日本には約270万社ほどの「会社」があるということですが、その中には、世界中で活動するグローバルな企業から、
地域に根ざした典型的な中小企業、さらには事実上の個人会社まで、業種の違いはもちろんのこと、組織としての規模や形態も実にさまざまです。
また、株式市場に上場しており、会社の「持ち主」としての地位(株式)が広く一般に売買されている会社もあれば、
完全に身内のみで構成され、「持ち主」の変更など想定もされていない会社など、メンバー構成自体にも相当な差異があります。
もっとも、結局のところ、それらの会社の大半は、「株式会社」という同じ形態の会社であり、
皆様の認識としても大抵の場合「会社」=「株式会社」ということになっているのではないかと思われます。
しかし、日本の法律上では株式会社以外の形態も認められており、(株式会社と比較すると圧倒的に少数ながら)
実際に会社としても存在し活動もしているのです。その中には、時代の移り変わりとともに、制度自体が廃止されることとなった
「会社」もあれば、最近になって新たに誕生した「会社」もあります。
そこで、今回からは、日本における「会社」の種類としてどのようなものが存在するのか、さらにそれぞれの特徴などについて
お話していきたいと思います。
今回は初回となりますので、差しあたり、現状で法律上存在し得る会社の形態(名称)を列挙しておきますと、
先ほどから名前の出ている『株式会社』のほか、『合同会社』『合名会社』『合資会社』、そして『有限会社』
(こちらは、後にご説明するとおり、もはや新設することは認められず、昔に設立されたものが「残っている」という状況となります)
の合計5つとなります。
ちなみに、これらの「会社」とは似て非なる存在として、会社と同様に法人格をもつもの、営利活動を直接の目的としないために
会社とは異なる規律に服することとなる『社団法人』や『財団法人』、『特定非営利活動法人』(NPO法人)、
あるいは相互扶助を目的とする種々の『協同組合』などがあります。
また、法人格はもたない一方で、会社と同様に営利活動を行うことを目的とした組織として、有限責任事業組合や、
商法上の匿名組合などがありますが、これらについては、また別の機会にお話できればと思います。
次回以降、それぞれの特徴や、メリットデメリットなどについて、より詳しく解説してきます。
(続く)