2025年02月12日
カスハラ対策の義務化に向けた中小企業の対策方法
カスハラについて従業員保護策を企業に義務付ける法整備が検討されています。
中小企業においてカスハラ対策を行う際のポイントを解説します。
はじめに
2022年からパワハラ防止法が施行され、ハラスメント対策が企業に義務化されましたが、顧客からのハラスメント、
いわゆるカスハラについても近年問題が深刻化し、注目を集めています。2025年度以降カスハラについて従業員保護策を
企業に義務付ける法整備が検討されています。ここでは、中小企業においてカスハラ対策を行う際のポイントを解説します。
定義と例示
カスハラ対策をする上で、まずは「カスハラに該当する言動の定義」を定めることが重要です。厚生労働省が発表した
「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」によると、カスハラは次のように定義されています。
顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための
手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの
この定義を参考にすると、判断の基準は①クレーム内容の妥当性②やり方の相当性③働く環境への損害をもとに
判断するものと考えられます。
この3つの判断基準について、次の表のようにそれぞれ「該当するもの・しないもの」を例示しておくと、
実際の現場で役に立つでしょう。
カスハラ判断基準表の例(飲食店)
【クレーム内容の妥当性】
妥当性あり
- 虫やゴミなどが食品に混入していた
- 要求内容がクレームと釣り合っている
妥当性なし
- オペレーション上の理由で提供順が前後した
- 顧客が希望する決済方法の取り扱いがなかった
【やり方の相当性】
相当性あり
- ホームページに身元を明かしてメールで苦情
- 冷静に落ち着いた口調で話す
相当性なし
- 大声で怒鳴った
- ネチネチと文句を10分以上続けた
- SNSに匿名で誹謗中傷
【働く環境への損害】
損害程度が小さい
- カスハラと因果関係の小さい理由でスタッフが退職した
損害の程度が大きい
- 威圧に恐怖を感じた
- SNSに晒されて名誉が傷つけられた
自社で起こりうるクレームの種類ごとに具体的な対応マニュアル(セリフ例、相談先等)を
作成するのも良いでしょう。
従業員を理不尽な要求から守る
これからの時代の基本姿勢として、企業は従業員を顧客の理不尽な要求から守るという心構えを持ちましょう。
理不尽な要求から守るために、以下の順序で対応をしていくとよいでしょう。
① 危険回避
暴力や暴言、個人攻撃、プライバシー侵害があった場合、理由に関わらず従業員を危険から隔離することを優先しましょう。
② 冷静なヒアリング等による事実確認
相手が感情的になっていたとしても冷静な対応で事実確認に徹しましょう。顧客からの要求が理不尽であるか否か、
こちらの対応の問題点は何かなどを客観的に評価できるまで、ヒアリングや防犯カメラの確認などを徹底しましょう。